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JSAF英語力UPアドバイス

2010年2月/第3回コラム

「リーディング力強化〜精読と多読のバランス〜」 

リーディング力は海外の大学生活の中で求められる最も重要なスキルの一つです。予習の段階で100ページ以上のリーディングの課題が求められることは当たり前ですし、その他にペーパーを書くとなったら、教科書以外の文献を山のように読まなければなりません。

スピーキングやリスニングは基礎さえできていれば、渡航後に飛躍的に力が付くということは言えますが、リーディングは違います。

リーディング力の向上は毎日の積み重ねによって向上します。また、留学経験がなくても多くの英語文献を読みこなすことができる研究者やビジネスマンの方々は大勢いらっしゃいます。言い換えれば、リーディング力こそ、留学前に最も伸ばさなければならないスキルということができます。リーディングの練習を効果的に行うことで使える語彙の範囲も広がりますし、文法事項の整理にも役立ちます。その結果、その他のスキルの向上にも非常に良い効果が期待できます。
リーディングの練習はただ闇雲に英語で書かれているものを読めばよいという訳ではなく、目的をもって、計画的に勉強を進めていくことが大切です。

今回はリーディングの練習方法で大切な“3つのA”という視点からリーディングの方法をご紹介致します。

■Automaticity=自動性

皆さんが日本語で新聞や本を読むときに、日本語の文法を意識する人はほとんどいないと思います。これは皆さんが日本語のネイティブスピーカーであり、自動的に日本語の文章を処理する力が備わっているからです。しかし、英語ではどうでしょうか?日本語と違って少し難しい文になると、すんなり意味が頭の中に入ってこないと思います。しかし、下記の文についてはどうでしょうか?

「I like apples, and I bought a lot of them at the supermarket.」

皆さんの全員がこの文の意味がすんなり頭の中に入ってきたと思います。また、この文の意味を理解する為に文法のことはほとんど意識しなかったと思います。これは皆さんが上記のような文の形を数えきれないほど読んできたからです。すなわち、皆さんの脳の中で上記のような文を日本語と同じように自動的に理解する回路が出来上がっているということです。英語は皆さんにとって第二言語ですが、それを母語である日本語と同じくらいに処理する為の自動性を身につけることが理想的ですよね。上記の例は極端かもしれませんが、より複雑な文構造であっても、同じ理屈で脳の中に回路を構築していくことができるはずです。その為にはリーディングの練習の中で精読と復習をしっかりとしていくことが最も大切です。

精読をする際の教材の選定は、長過ぎないのがポイントです。

精読では一つ一つの文を細かくチェックしていきますので、長過ぎると最後まで精読するのに途方もない時間がかかってしまいます。最適な教材はTOEFLやIELTSの長文問題です。これらは、長さも丁度よく、様々なトピックが取り上げられていますので、幅広い分野の語彙に触れることができます。このような教材を一度読み、問題を解くというところまで終わったら下記の二つのポイントに注意して精読をしていきます。

①分からなかった単語の確認
ここでは、まず単語の意味を調べましょう。その次に必ずその単語の品詞まで確認する様にしてください。
②各文の文構造の確認
市販のほとんどの問題集には和訳がついていますが、それを見ながら各文の構造を確認しましょう。和訳を見ながら、なぜそのような訳がつくのかが自分で納得できれば十分です。

上記の2点が済みましたらAutomaticityを上げる為のトレーニングの準備は整いました。ここから同じ教材を何度も、できるだけ速く読み込むという作業を繰り返しましょう。これをすることによって、脳の中で精読した文章の構造を処理するための回路が徐々に作られ始めます。また、語彙についても何回も読むことによって、徐々に長期記憶の中に定着していきます。この作業は忘れては思い出すという単純な作業を繰り返すことが大切です。したがって、一度集中して読み込みを行ったら、その教材はどこかに保管しておきましょう。そして、電車での移動中などに鞄の中に入れておき、また読み込みの作業をしましょう。ダンスに例えると最初は一つの振り付けの動きを確認しながら練習していたものが何回も練習することで自動的に体が動くようになっているということがありますよね。これもAutomaticityを意識した結果、その振り付けができるようになったということが言えます。これを英語の勉強に応用すると、上記のような練習方法になります。


■Applicability =適用性

ここで多読にスポットを当てます。上記で示した精読のトレーニングとともに多読も毎日の学習に取り入れていきましょう。精読では単語の意味や文構造を理解したもの使ってトレーングをしますが、多読ではより多くの文章を文構造など細かいこと意識せずに読み進めていくトレーニングです。実際に大学で勉強するにあたって、全ての教科書を精読している時間まずありません。大量のリーディングをこなすためにはスピードが要求されます。多読では、精読で定着させた知識をより実際の状況に近い形で適用していくことトレーニングをします。ここでは、英字新聞やNewsweekなどの英語の雑誌を教材として挙げることができますが、教材選択については少し注意をしなければなりません。

学習者の語彙レベルによっては、英字新聞などは知らない単語が多すぎて辞書なしでは読めないということがよくあります。これでは、多読のトレーニングの主旨からはずれてしまいます。

そこで、自分が興味を持っている事柄や背景知識が比較的豊富な話題が取り上げられているもの読むことをお進めします。例えば、AERA Englishなど日本国内の話題が多く取り上げられているものや、Yomiuri Weekly1など日本の英字新聞を読むのがよいでしょう。語彙不足を背景知識で補うことでカバーして、なるべく辞書を使わずに読み進めていくということを必ず意識していきましょう。スポーツでいうと、練習試合のようなものですよね。基礎的な練習を繰り返しただけでは、実際の試合には勝てません。そこで、基礎の確認とともに、試合形式の練習も取り入れていくことで基礎練習の成果を適用させていくわけです。

 

■Authenticity =実用性

最後のAはAuthenticityです。これは、TOEFLやIELTSの基準点をクリアしてしまった人や留学直前の方達意識していただきたいポイントです。大学で勉強するにあたって、それぞれ希望する専攻分野があるはずです。そこで留学前に希望専攻分野の基礎的な文献を読んでおくことをおすすめします。英語の語彙は無数にあり、今も増え続けています。英語学習者として、常に語彙力の強化を意識するのは大切ですが、それでも全ての単語を暗記することは不可能です。しかし、分野やコンテクストによっては、専門用語をはじめ、同じような単語が繰り返し使われる傾向があります。したがって、留学前に必ず自分の希望専攻分野に関連する読書をするようにしてください。在籍大学の先生に相談してもよいですし、Oxford出版から出ている「Very short introduction シリーズ」というシリーズは様々な分野の概論書が揃っていいます。このような本を使って自分の語彙レベルをチューンアップしていきましょう。


<最後に>

リーディングは日本にいる間に最も効果的に伸ばすことができるスキルです。
今回のご紹介した3つのAという視点をもとにご自分の勉強方法をもう一度見なしてみましょう。それでは、今回のコラムが皆さんの英語学習のお役に少しでも立てれば幸いです。


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<バックナンバー>

>>>2009年12月/第2回コラム(英語勉強のミクロ・マクロ的視点)

>>>2009年7月/第1回コラム(語学の習得はスポーツと同じ!)

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